ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
その時、王の間にエミがいることにようやく気づいたサクラが、ガタンと音をたてて椅子から立ち上がった。
「エミたそ! やっと来てくれたのね! 朝から呼び出してごめんね。ちょっと気になることがあって……」
「お、おはよー、サクぴ……」
手をひらひらと振ってみせたエミだったが、明らかに視線が泳いでいる。
そんなエミに、サクラは駆け寄って問いただす。
「あ、あのね、念のため聞くけれど、昨日はどこにいたの? 街にいたっていう目撃者情報が多数寄せられているけど、みんな集団で幻覚をみてただけだよね?」
「あちゃー、バレちゃった。さすがサクぴ、情報通すぎて尊敬だわ~」
「そんなぁ! 私、今回の事件にはエミたそはどうしても巻き込みたくなかったのに……!」
「巻き込まれたっていうか、自分で勝手に巻き込まれに行ったっていうか……」
エミは口ごもる。当然のことながら、婚約者の浮気を疑って、わざわざ街まで出てきたと言えるはずがない。
肩を落としたサクラがエミにさらに問い詰めようとしたものの、それより前に第二王子であるロイが口を開いた。
「エミたそ! やっと来てくれたのね! 朝から呼び出してごめんね。ちょっと気になることがあって……」
「お、おはよー、サクぴ……」
手をひらひらと振ってみせたエミだったが、明らかに視線が泳いでいる。
そんなエミに、サクラは駆け寄って問いただす。
「あ、あのね、念のため聞くけれど、昨日はどこにいたの? 街にいたっていう目撃者情報が多数寄せられているけど、みんな集団で幻覚をみてただけだよね?」
「あちゃー、バレちゃった。さすがサクぴ、情報通すぎて尊敬だわ~」
「そんなぁ! 私、今回の事件にはエミたそはどうしても巻き込みたくなかったのに……!」
「巻き込まれたっていうか、自分で勝手に巻き込まれに行ったっていうか……」
エミは口ごもる。当然のことながら、婚約者の浮気を疑って、わざわざ街まで出てきたと言えるはずがない。
肩を落としたサクラがエミにさらに問い詰めようとしたものの、それより前に第二王子であるロイが口を開いた。