ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
伯爵、戸惑う!
書斎に一人残されたディルは一人、肺の中の空気を全部吐き出すような、深いため息をつく。
「な、なんだったんだ、いったい……」
そこはかとない疲労感を感じる。頬が何だか異常に熱い。しかし、存外になんだか悪い気は全くしない。むしろ、奇妙な高揚感すらある。
ディルはセバスチャンが先ほどいれた紅茶でとりあえず喉を潤した。久しぶりに誰かを質問攻めしてしまったため、さすがに喉が渇いたのだ。他人に興味を持って質問攻めにするなど、実に久しぶりのことだった。もしかしたら、幼少期に興味の赴くままに乳母に質問攻めした時以来かもしれない。
「……聖女、興味深い存在だ」
ディルは一人呟きつつ、エミから手渡された2通の封筒に目を落とす。
一通目は薄桃色の封筒で、流麗な字で「サクラ」と署名がしてあった。もう一人の聖女の名前だ。
「な、なんだったんだ、いったい……」
そこはかとない疲労感を感じる。頬が何だか異常に熱い。しかし、存外になんだか悪い気は全くしない。むしろ、奇妙な高揚感すらある。
ディルはセバスチャンが先ほどいれた紅茶でとりあえず喉を潤した。久しぶりに誰かを質問攻めしてしまったため、さすがに喉が渇いたのだ。他人に興味を持って質問攻めにするなど、実に久しぶりのことだった。もしかしたら、幼少期に興味の赴くままに乳母に質問攻めした時以来かもしれない。
「……聖女、興味深い存在だ」
ディルは一人呟きつつ、エミから手渡された2通の封筒に目を落とす。
一通目は薄桃色の封筒で、流麗な字で「サクラ」と署名がしてあった。もう一人の聖女の名前だ。