ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「エミ嬢とソーオン伯よ、今回のことは憲兵や国民たちからの聞き取りで、断片的に報告を受けている。突然降った豪雨、それから火のついた魔晶石の倉庫の鎮火。どちらも、エミ嬢がやったことで間違いないか」
「ふん。相変わらずあのトンチキ聖女の魔力はバケモノだなぁ! 誰かが首輪をつけておかないとダメなのではないか? まあ、俺であればあの女をうまく管理してやってもいいが」
ひときわ威丈高な声でヤジを飛ばすのは、第一王子のエリックだ。取り巻きたちとニヤニヤ笑いながらこちらを見ている。冷遇されていた過去を思い出したのか、エミの肩が怯えたようにびくりと跳ねた。
「でも、あたし、みんなを助けたかっただけで……」
「その通り。聖女エミのやったことは、誰も責められることではありません。それ以上の侮辱は、即刻止めていただきたく」
いまにも消えいりそうな声のエミの代弁をするように、ディルが口を開く。決して大きな声ではないものの、低くよく響く声が場の空気を支配する。無遠慮な視線から守るように、ディルはさりげなくエミの頼りない肩を引きよせ、エリックたちを睨みつけた。
「ふん。相変わらずあのトンチキ聖女の魔力はバケモノだなぁ! 誰かが首輪をつけておかないとダメなのではないか? まあ、俺であればあの女をうまく管理してやってもいいが」
ひときわ威丈高な声でヤジを飛ばすのは、第一王子のエリックだ。取り巻きたちとニヤニヤ笑いながらこちらを見ている。冷遇されていた過去を思い出したのか、エミの肩が怯えたようにびくりと跳ねた。
「でも、あたし、みんなを助けたかっただけで……」
「その通り。聖女エミのやったことは、誰も責められることではありません。それ以上の侮辱は、即刻止めていただきたく」
いまにも消えいりそうな声のエミの代弁をするように、ディルが口を開く。決して大きな声ではないものの、低くよく響く声が場の空気を支配する。無遠慮な視線から守るように、ディルはさりげなくエミの頼りない肩を引きよせ、エリックたちを睨みつけた。