ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「聖女エミと私は、昨晩行動を共にしていた。そして、魔法を使うよう指示したのは他ならぬ私。罰するなら、私を罰するべきかと。国を救った人間を罰する法律があるなら、ですが」
「しかし、そこの女の気が変われば、この国は一瞬で吹き飛んでもおかしくない! なあ、お前たちもそう思うよな?」

 そう言って、エリックは取り巻きたちに同意を求める。取り巻きたちもエリックに同調するように慌ててコクコクと頷いたが、ディルの並々ならぬ雰囲気に気圧されたのか、先ほどまでの勢いはない。
 ディルとともにエミを守るように立っていたサクラは、腰に手を当てた。

「ちょっとエリック、まだそんなこと言ってるわけ!? いい加減エミたそにいちゃもんつけるのは止めなさいよ! それに、今回の放火事件は、アンタが黒幕だって疑いもあるんだからね! アンタの仲間たちが爆発騒ぎが起こる前に街中にいたっていう証言もあるのよ!」
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