ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
サクラの名前を見たディルは、皮肉気に片頬を吊り上げた。以前も、このように婚約者の友達を名乗る女から手紙を受け取った覚えがある。しかも複数。自称友達からの手紙の内容は、「親友をお願いします」といった、くだらない友情ごっこの延長戦のようなもので、追伸には『なにかあったらご相談くださいな。ふたりきりでお話しましょう』と決まって書いてあった。醜悪なほどの下心の数々に、いま思い出しても反吐が出そうになる。
しかし、手紙の内容がなんであれ、この国を救った聖女から送られてきた手紙だ。無下にすることもできず、ディルはさっさと処理すべく内容を確認すべく封を開ける。
「まったくもって、女とはめんどくさ……、なんだこれはッ!」
ディルは動揺する。手紙の内容は非常に簡潔だった。
『エミたそを不幸にしたらぶっ殺すから』
そう、鮮血のような赤いインクで書かれていたのだ。
あまりに怨念溢れる短い文章にディルは戦慄する。このパターンはまったく予想していなかった。訳が分からない。言葉を交わしたこともなければ、顔すらも知らない聖女に脅迫されている。
しかし、手紙の内容がなんであれ、この国を救った聖女から送られてきた手紙だ。無下にすることもできず、ディルはさっさと処理すべく内容を確認すべく封を開ける。
「まったくもって、女とはめんどくさ……、なんだこれはッ!」
ディルは動揺する。手紙の内容は非常に簡潔だった。
『エミたそを不幸にしたらぶっ殺すから』
そう、鮮血のような赤いインクで書かれていたのだ。
あまりに怨念溢れる短い文章にディルは戦慄する。このパターンはまったく予想していなかった。訳が分からない。言葉を交わしたこともなければ、顔すらも知らない聖女に脅迫されている。