ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
エミにとって、ディルは特別な人らしい。そして、ディルもまたエミを憎からず思っているのは誰の目から見ても明らかだった。
サクラはしばらく低く唸って葛藤したものの、やがて観念したのか、唇を尖らせてぼそりと言った。
「……エミたそがこんなに幸せそうだったら仕方ないわ。ディル・K・ソーオン。アンタを婚約者として認めてやってもいいわよ」
絞り出すようなサクラの一言に、ディルは困惑した顔をする。
「聖女サクラ、貴女に認められなくても私はすでにエミの婚約者だが……」
「は?」
サクラの額にくっきりと青筋が浮かぶ。サクラは一瞬何かを言いかけたものの、ちょうどその時ロイがサクラの名前を呼んだ。どうやら大事な話らしい。
サクラは歯がみしながら、踵を返す。
「覚えてなさいよ! 一瞬でもエミたそを不幸にしたら、今度こそアンタのことボコボコしてやるわ! もし逃げても地獄の果てまで追いかけて火祭りにしてやるんだからねッ!」
聖女らしからぬ悪役のような捨て台詞を吐きながら、サクラは去って行く。
エミは不思議そうな顔をした。
「ハクシャク、サクぴに恨まれるようなことなんかした?」「……覚えがない。今度聞いてみよう」
数日後、ディルはサクラの大地雷を踏み抜き、さらに嫌われることになる。
とにもかくにも、こうしてエリックの悪巧みは大失敗に終わり、サンクトハノーシュ王国は再び平和を取りもどした。
サクラはしばらく低く唸って葛藤したものの、やがて観念したのか、唇を尖らせてぼそりと言った。
「……エミたそがこんなに幸せそうだったら仕方ないわ。ディル・K・ソーオン。アンタを婚約者として認めてやってもいいわよ」
絞り出すようなサクラの一言に、ディルは困惑した顔をする。
「聖女サクラ、貴女に認められなくても私はすでにエミの婚約者だが……」
「は?」
サクラの額にくっきりと青筋が浮かぶ。サクラは一瞬何かを言いかけたものの、ちょうどその時ロイがサクラの名前を呼んだ。どうやら大事な話らしい。
サクラは歯がみしながら、踵を返す。
「覚えてなさいよ! 一瞬でもエミたそを不幸にしたら、今度こそアンタのことボコボコしてやるわ! もし逃げても地獄の果てまで追いかけて火祭りにしてやるんだからねッ!」
聖女らしからぬ悪役のような捨て台詞を吐きながら、サクラは去って行く。
エミは不思議そうな顔をした。
「ハクシャク、サクぴに恨まれるようなことなんかした?」「……覚えがない。今度聞いてみよう」
数日後、ディルはサクラの大地雷を踏み抜き、さらに嫌われることになる。
とにもかくにも、こうしてエリックの悪巧みは大失敗に終わり、サンクトハノーシュ王国は再び平和を取りもどした。