ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
しがみついて懇願するサクラに、エミは盛りに盛った睫毛をシパシパさせて明るく笑う。相変わらず、聖女ふたりの温度差がひどい。サクラの婚約者であるロイは、すっかり慣れた顔だ。
しかし、予定の時刻より出発が遅れていることを気にしているディルは、迷惑そうな顔でサクラを見た。
「聖女サクラよ、そろそろ離れてくれないか。ガシュバイフェンに一緒に転移されても、困るんだが」
「相変わらずうるさい男ね! アンタみたいな男がエミたその婚約者なんて、ありえないっ! いつかエミたそは絶対に返してもらうんだから!」
吠えるサクラに、ディルはさらに困惑した顔をする。
この数ヶ月の間、エミの小姑ポジションにいるサクラに好かれようと、ディルはあらゆる手を尽くしたが、二人の仲は悪化の一途をたどっている。ディルとサクラの和解の日は遠そうだ。
サクラとディルの間に妙な緊張感が漂いはじめたのを見かねて、ようやくロイが口を挟んだ。
「サクラ、そろそろエミ嬢から離れよう。別れを惜しんでいるのは、君だけじゃないんだから。そうですよね、国王陛下?」
しかし、予定の時刻より出発が遅れていることを気にしているディルは、迷惑そうな顔でサクラを見た。
「聖女サクラよ、そろそろ離れてくれないか。ガシュバイフェンに一緒に転移されても、困るんだが」
「相変わらずうるさい男ね! アンタみたいな男がエミたその婚約者なんて、ありえないっ! いつかエミたそは絶対に返してもらうんだから!」
吠えるサクラに、ディルはさらに困惑した顔をする。
この数ヶ月の間、エミの小姑ポジションにいるサクラに好かれようと、ディルはあらゆる手を尽くしたが、二人の仲は悪化の一途をたどっている。ディルとサクラの和解の日は遠そうだ。
サクラとディルの間に妙な緊張感が漂いはじめたのを見かねて、ようやくロイが口を挟んだ。
「サクラ、そろそろエミ嬢から離れよう。別れを惜しんでいるのは、君だけじゃないんだから。そうですよね、国王陛下?」