ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
執事、失言する!
聖女エミがガシュバイフェンにきて2週間――。
「おお、エミ様! 今日は美しいバラの花が咲きました。お庭に是非遊びに来てください!」
「エミ様~! とっておきのお菓子が焼けましたよ! 今日のおやつに出しますんで、楽しみにしてくださいね」
「エミ様、今日も御髪を整えさせてくださいな! またおニューのヘアアレンジとやらを試しましょう」
屋敷を訪れた当初は全く歓迎されていなかったはずの聖女エミは、今やすっかりソーオン家の屋敷になじんでいた。それはもう、なじみすぎるほどになじんでいた。
どれくらいなじんだかと言えば、エミが廊下を歩けば、すれ違う従者やメイド全員が目を輝かせて話しかけるほどだ。ありていに言えば、エミはすっかり屋敷の人気者になっていた。
「いやはや、聖女エミ様もすっかりこの屋敷の一員ですな」
ぶ厚い本を両手に抱えるセバスチャンは、おっとりと微笑んだ。横を歩いていたエミも、そろって分厚い本を数冊持っている。
二人が運んでいるのは、セバスチャンがディルに急遽書庫から持ってくるよう頼まれた専門書たちだ。あまりに量が多く、たまたま近くを通りかかったエミが手伝いを申し出た。
「おお、エミ様! 今日は美しいバラの花が咲きました。お庭に是非遊びに来てください!」
「エミ様~! とっておきのお菓子が焼けましたよ! 今日のおやつに出しますんで、楽しみにしてくださいね」
「エミ様、今日も御髪を整えさせてくださいな! またおニューのヘアアレンジとやらを試しましょう」
屋敷を訪れた当初は全く歓迎されていなかったはずの聖女エミは、今やすっかりソーオン家の屋敷になじんでいた。それはもう、なじみすぎるほどになじんでいた。
どれくらいなじんだかと言えば、エミが廊下を歩けば、すれ違う従者やメイド全員が目を輝かせて話しかけるほどだ。ありていに言えば、エミはすっかり屋敷の人気者になっていた。
「いやはや、聖女エミ様もすっかりこの屋敷の一員ですな」
ぶ厚い本を両手に抱えるセバスチャンは、おっとりと微笑んだ。横を歩いていたエミも、そろって分厚い本を数冊持っている。
二人が運んでいるのは、セバスチャンがディルに急遽書庫から持ってくるよう頼まれた専門書たちだ。あまりに量が多く、たまたま近くを通りかかったエミが手伝いを申し出た。