ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「それは過去の話です。サンクトハノーシュ王国の魔法使いの家門は、代々魔法の知識を秘匿にし、独占してきました。しかし、独占することで我々は切磋琢磨を怠り、ついに魔力すらも衰えていき、術式と呪文に頼る魔導士に成り下がった。魔法使いは、ついに滅びた……」
老オルコは、己の過去を恥じるように残念そうに目を伏せた。
「その流れを変えたのが、貴女様の婚約者、ソーオン伯です。彼は若くして才覚を現し、古代の書物から魔法研究を行った。正直なことを申し上げますと、当初は我が同胞たちもソーオン伯を侮っておりました。ソーオン家は魔導士を排出する家門ではなかったゆえ……」
「そうなんだ」
「しかし、ソーオン伯はたったおひとりで魔法研究をやりとげました。才能ではなく、知識と機転、家門に囚われない自由な発想で、滅びたはずの魔法知識を再構築したのです。儂ら魔導士はソーオン伯の研究結果に驚き、大いに自らの驕りを恥じました。そして三年前、ついに魔道士たちは家門の利害を超えた協力関係を築く協定を結んだのです」
老オルコは、己の過去を恥じるように残念そうに目を伏せた。
「その流れを変えたのが、貴女様の婚約者、ソーオン伯です。彼は若くして才覚を現し、古代の書物から魔法研究を行った。正直なことを申し上げますと、当初は我が同胞たちもソーオン伯を侮っておりました。ソーオン家は魔導士を排出する家門ではなかったゆえ……」
「そうなんだ」
「しかし、ソーオン伯はたったおひとりで魔法研究をやりとげました。才能ではなく、知識と機転、家門に囚われない自由な発想で、滅びたはずの魔法知識を再構築したのです。儂ら魔導士はソーオン伯の研究結果に驚き、大いに自らの驕りを恥じました。そして三年前、ついに魔道士たちは家門の利害を超えた協力関係を築く協定を結んだのです」