ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
 魔道士を多く排出する家門が協定を結んでからというもの、魔道士たちの交流は活発になった。そのおかげで、多くの知識と知識が結びつき、サンクトハノーシュ王国の魔術は再び発展しつつある。

「このようなきっかけを作ってくださったのは、ソーオン伯他なりません」
「わーお、マジで!? ハクシャクってめっちゃスゴい人だったんだ!」
「ええ、貴女様の婚約者様は、間違いなくこの国の魔法研究に大きな影響を残した人物として歴史に名を刻むことになるでしょう。まあ、もっぱらそれは生物学や薬理学、法学にも言えることですが……」
「んふふ、ハクシャクのこと、やって褒めてもらえると、あたしまで誇らしくなっちゃうな~。さすがあたしのダーリン♡」
「ええ、ソーオン伯様の研究は多岐にわたりますからね。そういえば、つい二週間前にソーオン伯は老ジョン・サーンの提唱についての論文を発表しておりましたな。まったく、あの方の研究には毎回驚かされる。あの研究は聖女エミ様のご助力あってこそと伺っております」
「え~~、あたし大したことしてないってぇ! でも、ちょっとでも力になれたんだったら、超うれしいなぁ♡」

 はにかむエミが赤くなった頬を両手でおさえる。老オルコは優しく微笑んだ。
< 383 / 392 >

この作品をシェア

pagetop