ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
ついに観念したらしく、大人しくディルはエミの手助けでスープ皿一杯分を胃に流しこみ、薬を飲んで横になった。
ちょうどその時、洗面器に入った水とタオルを持ったセバスチャンが部屋に入ってくる。
「おお、なんと! 風邪をひいたディル様がスープを飲んでいらっしゃる! 私が勧めても絶対に食べないくせに……」
「なにが言いたい?」
「ヒエッ、なにも……。と、とにかく、ディル様はいつも働きすぎなのです! この際しばらくゆっくり休んでいただきたく思います」
そう言うと、セバスチャンはさっさとディルの寝室のベッドサイドに置いてあった論文をさっと取り上げた。
「もちろん、本や新聞、論文を読むのも厳禁です!」
ディルが恨めしそうな顔をしてセバスチャンを睨んだが、午後から医者がくる旨を伝え、セバスチャンはさっさと去っていった。
「お医者さんが来るのは午後だから、それまでは休みなね。あたしはここにいるから」
ディルの邪魔にならないよう、エミはベッドの側に椅子を置いて、大人しくちょこんと座る。意外に頑固なところがあるエミになにを言っても、この寝室から絶対にでないだろうと簡単に予想できたため、ディルは説得を諦めて大人しく目を閉じる。
ちょうどその時、洗面器に入った水とタオルを持ったセバスチャンが部屋に入ってくる。
「おお、なんと! 風邪をひいたディル様がスープを飲んでいらっしゃる! 私が勧めても絶対に食べないくせに……」
「なにが言いたい?」
「ヒエッ、なにも……。と、とにかく、ディル様はいつも働きすぎなのです! この際しばらくゆっくり休んでいただきたく思います」
そう言うと、セバスチャンはさっさとディルの寝室のベッドサイドに置いてあった論文をさっと取り上げた。
「もちろん、本や新聞、論文を読むのも厳禁です!」
ディルが恨めしそうな顔をしてセバスチャンを睨んだが、午後から医者がくる旨を伝え、セバスチャンはさっさと去っていった。
「お医者さんが来るのは午後だから、それまでは休みなね。あたしはここにいるから」
ディルの邪魔にならないよう、エミはベッドの側に椅子を置いて、大人しくちょこんと座る。意外に頑固なところがあるエミになにを言っても、この寝室から絶対にでないだろうと簡単に予想できたため、ディルは説得を諦めて大人しく目を閉じる。