ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
ディルはぶっきらぼうに答え、踵を返すと、さっさと書斎に向かって歩き出す。セバスチャンは慌ててディルの背中を追いかけた。
「お、お言葉ですが、エミ様はこれまで来た婚約者様たちとは全く違うタイプの方です。明るくて、朗らかで、ご主人様の冷たい言動にも一喜一憂しない強い心の持ち主ですとも! し、しかしですなあ、エミ様もまだうら若き乙女でいらっしゃいますし、万が一ということもありますゆえ……」
「……フン。それくらいわかっている。愛想を尽かされないうちに、さっさと婚儀を執り行うつもりだ」
「そっ、それは素晴らしいことにございます。しかし、それではいささか強引と言いますか、ご本人の意思をもっとしっかり尊重すべきと申しますか、コミュニケーションが不足していると言わざるを得ないような……。まだまだ婚儀の前にもやることがですねぇ……」
歯切れの悪い口調に、ディルは苛ついた顔をする。
「まどろっこしい。何が言いたいのだ」
「ヒイッ! わ、私がいいたいのはですね、つまり、もう少し丁重にエミ様をもてなしてはどうかと申し上げたかったのです!」
「お、お言葉ですが、エミ様はこれまで来た婚約者様たちとは全く違うタイプの方です。明るくて、朗らかで、ご主人様の冷たい言動にも一喜一憂しない強い心の持ち主ですとも! し、しかしですなあ、エミ様もまだうら若き乙女でいらっしゃいますし、万が一ということもありますゆえ……」
「……フン。それくらいわかっている。愛想を尽かされないうちに、さっさと婚儀を執り行うつもりだ」
「そっ、それは素晴らしいことにございます。しかし、それではいささか強引と言いますか、ご本人の意思をもっとしっかり尊重すべきと申しますか、コミュニケーションが不足していると言わざるを得ないような……。まだまだ婚儀の前にもやることがですねぇ……」
歯切れの悪い口調に、ディルは苛ついた顔をする。
「まどろっこしい。何が言いたいのだ」
「ヒイッ! わ、私がいいたいのはですね、つまり、もう少し丁重にエミ様をもてなしてはどうかと申し上げたかったのです!」