ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
 ハド共和国に急襲を仕掛けられたサンクトハノーシュ王国の国王は、慌てて宮廷の魔導士に命じ、聖女を召喚させた。ほとんど、藁にも縋る思いで。

 そして召喚されたのが、日本から召喚された北条桜(サクラ)長倉恵美(エミ)と名乗る、二人の聖女だった。

 サンクトハノーシュ王国の長い歴史において、二人の聖女が召喚された前例はない。魔導士は少々驚いたものの、首を垂れて二人に願った。

「聖女よ。この国を、どうか救ってください」、と。

 そして、二人の聖女は、魔導士に請われた通り、サンクトハノーシュ王国を救う旅に出た。その旅には二人の王子と精鋭たちが集う騎士団も同行した。
 こうして、聖女たちは王子と騎士たちとともに、サンクトハノーシュ王国中を巡り、人々を救い、ハド共和国の猛者たちから国を守った。

 ハド共和国は伝説の聖女たちの登場に屈し、ついに降参してサンクトハノーシュ王国から手を引いた。

 かくして、再びサンクトハノーシュ王国に長い平和は訪れる。

 聖女たちは「救国の聖女」として、国民から広く愛され、エミは第一王子と、サクラは第二王子と、それぞれ婚約した。
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