ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
ディルは眉間に皺を寄せ、一瞬考えこむような顔をしたあと、ややあって深いため息をついて額に手を当てる。
「おい、一応確認するが、お前はなぜこんな時に、こんなしち面倒くさそうなコルセットをつけているんだ……」
「えーっと、メアちんがコルセットつけようねって……」
「ああ、これはやはりあのメイドの仕業か。……クソ」
古参メイドからの予期せぬ妨害だ。雇用主は誰だ、とディルは小さく舌打ちしつつ、エミの複雑怪奇に縛り上げられたコルセットを外しにかかる。
「くそ、なんだこのコルセットは……。どういう構造になっている……!」
ディルの顔が近くなり、エミは小さく息を飲んだ。
「顔、近すぎぃ……」
「近づけなければコルセットの構造が分からぬ。我慢せよ」
「……。ハクシャク、おこぷん?」
「おこぷんではない」
ディルは短く答える。その証拠に、限りなく不機嫌な顔はしていても、紐をとく手つきはどこまでも優しい。大きな手は丁寧に一つ一つボタンをはずし、紐を外していく。
ああでもない、こうでもないとぶつくさ呟きながらコルセットを外そうと格闘するディルの頭を、エミはちょうど手があいているのもあってそっと撫でた。
ディルは抗議をするような目をエミに向ける。
「おい、一応確認するが、お前はなぜこんな時に、こんなしち面倒くさそうなコルセットをつけているんだ……」
「えーっと、メアちんがコルセットつけようねって……」
「ああ、これはやはりあのメイドの仕業か。……クソ」
古参メイドからの予期せぬ妨害だ。雇用主は誰だ、とディルは小さく舌打ちしつつ、エミの複雑怪奇に縛り上げられたコルセットを外しにかかる。
「くそ、なんだこのコルセットは……。どういう構造になっている……!」
ディルの顔が近くなり、エミは小さく息を飲んだ。
「顔、近すぎぃ……」
「近づけなければコルセットの構造が分からぬ。我慢せよ」
「……。ハクシャク、おこぷん?」
「おこぷんではない」
ディルは短く答える。その証拠に、限りなく不機嫌な顔はしていても、紐をとく手つきはどこまでも優しい。大きな手は丁寧に一つ一つボタンをはずし、紐を外していく。
ああでもない、こうでもないとぶつくさ呟きながらコルセットを外そうと格闘するディルの頭を、エミはちょうど手があいているのもあってそっと撫でた。
ディルは抗議をするような目をエミに向ける。