ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「おい、頭を撫でるのは止めろ。私は犬や猫のような愛玩動物ではない」
「ハクシャク、マジめっちゃいい子だよねえ」
「はあ? どこをどう解釈すればそのような結論になった。思考回路がまるで分らぬ」
「んー、なんとなく? まあ、メアちんはめっちゃ疑ってたけどねえ」

 アッハッハ、とエミはディルの銀色の髪をガシガシと撫でながら明るく笑った。
 実は、メアリーにはある計画があった。ディルが無理やりコルセットを脱がすようであれば、エミはすかさず大声を出すように言われていたのだ。

『コルセットごときも冷静に脱がせられない男は、理性を失ったケモノになっているのです。ですので、伯爵がコルセットを万が一無理やりひん剥こうとしたら、すかさずエミ様大声を出して私たちをお呼びください!』

 エミの脳裏にメアリーの怒った顔が浮かび、エミは一人思い出し笑いをする。
< 60 / 392 >

この作品をシェア

pagetop