ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
(ああ、それも当然のことか……)
エミは、自分の意志と関係なく未知の世界に連れてこられ、勝手に聖女という役割を与えられた。国を救えと無茶難題押し付けられ、必死で国を救えば、次は王子の婚約者となれと命じられ、次は一方的に婚約破棄。そして、挙句の果てに片田舎の侯爵のもとへ嫁がされた。
全て、あまりに理不尽な処遇。それを、全てエミは一人で背負いこんできたのだ。
「そうか、お前は、ずっと不安だったのだな……。俺に嫌われないかと、怯えて……」
ディルはしばらく黙ったあと、不器用にそっとエミの頭を撫でた。
「すまない。お前がいつも笑ってくれていたから、そこまで考えが至らなかった。無理をする必要はない。性交とは二人でやることだ。お前が痛みを感じるなら、やめるべきと判断する。今日はこれまでにするぞ」
ディルはそう言って、指でエミの涙をぬぐった。そして、逡巡したあと、エミにブランケットを渡す。
「……それに、その……。別にこれくらいでお前を嫌いにはならない。だから泣き止んでくれ。どういうわけか、私は聖女にはあまり泣いてほしくない」
「ホント……?」
エミは、自分の意志と関係なく未知の世界に連れてこられ、勝手に聖女という役割を与えられた。国を救えと無茶難題押し付けられ、必死で国を救えば、次は王子の婚約者となれと命じられ、次は一方的に婚約破棄。そして、挙句の果てに片田舎の侯爵のもとへ嫁がされた。
全て、あまりに理不尽な処遇。それを、全てエミは一人で背負いこんできたのだ。
「そうか、お前は、ずっと不安だったのだな……。俺に嫌われないかと、怯えて……」
ディルはしばらく黙ったあと、不器用にそっとエミの頭を撫でた。
「すまない。お前がいつも笑ってくれていたから、そこまで考えが至らなかった。無理をする必要はない。性交とは二人でやることだ。お前が痛みを感じるなら、やめるべきと判断する。今日はこれまでにするぞ」
ディルはそう言って、指でエミの涙をぬぐった。そして、逡巡したあと、エミにブランケットを渡す。
「……それに、その……。別にこれくらいでお前を嫌いにはならない。だから泣き止んでくれ。どういうわけか、私は聖女にはあまり泣いてほしくない」
「ホント……?」