ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「ちーっす! ハクシャクがあたしを呼んだって聞いて参上したよ~♡ どうかしたの?」
「ああっ、聖女様! いつもながらさすがのタイミングのご登場です! それではこのセバスチャンめはお茶でもいれて参りますので失敬!」
セバスチャンはエミが部屋に来たのをいいことに、逃げるように書斎から去っていく。部屋にはディルとエミだけだ。
先ほどまでのセバスチャンへの態度と打って変わって、ディルはたちどころに視線を泳がせ、口ごもりはじめる。心拍数があがり、動悸もひどい。
「ハクシャクが呼んでくれたのって、けっこー珍しいから秒で来ちゃったよ♡」
「それにしては、ずいぶん遅かった」
「マジ!? かなり待たせちゃった? ごめん!」
「い、いや、謝ってほしいわけではない。むしろ、お前は未来の伯爵夫人なのだから、そうやって簡単に謝るな。品位が下がるだろう」
「ヤダ、未来の伯爵夫人とか、そうやってストレートに言われると照れぴ~~」
エミが両手で顔を挟んでとろけるような笑みを浮かべる。ディルはその笑みを、ただただ呆けたような顔で見つめた。
「ああっ、聖女様! いつもながらさすがのタイミングのご登場です! それではこのセバスチャンめはお茶でもいれて参りますので失敬!」
セバスチャンはエミが部屋に来たのをいいことに、逃げるように書斎から去っていく。部屋にはディルとエミだけだ。
先ほどまでのセバスチャンへの態度と打って変わって、ディルはたちどころに視線を泳がせ、口ごもりはじめる。心拍数があがり、動悸もひどい。
「ハクシャクが呼んでくれたのって、けっこー珍しいから秒で来ちゃったよ♡」
「それにしては、ずいぶん遅かった」
「マジ!? かなり待たせちゃった? ごめん!」
「い、いや、謝ってほしいわけではない。むしろ、お前は未来の伯爵夫人なのだから、そうやって簡単に謝るな。品位が下がるだろう」
「ヤダ、未来の伯爵夫人とか、そうやってストレートに言われると照れぴ~~」
エミが両手で顔を挟んでとろけるような笑みを浮かべる。ディルはその笑みを、ただただ呆けたような顔で見つめた。