ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
突然の一言に、エミは驚いたように身体を硬直させた。とっておきの秘策がダメだったのかと勘違いしたディルの顔に、緊張が走る。
「――ッ!! いや、急な誘いだから、別にお前が行きたくなかったら行かなくても差し支えない。さっき商人から連絡が入ったから、早くお前に伝えたくて呼んだんだ。喜ぶと思って。……でも、お前がもし気が乗らないなら別に……」
「ううん。別に気乗りしないってことじゃないんだけど、それって、そのぉ……デートってことかなって」
「デデデデデデデデデデデデデデデデデ」
「えっ、ハクシャク大丈夫!? なんか今、バグったよね!?」
「……いや、大丈夫だ。すまない。それで、返事は?」
「えっ、もちろん行く! 行くに決まってるよ! 久しぶりにタピれるのテンアゲ~♡ もう一生飲めないかと思ってた」
「……喜んでもらえたようで何よりだ。それでは、馬車の準備をさせてくる。ここで待っていてくれ」
胸の鼓動がバクバクいうのをなんとかなだめつつ、ディルは努めて冷静さを保ちながら書斎を出て、小さくガッツポーズをした。ディルにとって人生初の「女の子にデートに誘う」というミッションは成功したのだ。
「――ッ!! いや、急な誘いだから、別にお前が行きたくなかったら行かなくても差し支えない。さっき商人から連絡が入ったから、早くお前に伝えたくて呼んだんだ。喜ぶと思って。……でも、お前がもし気が乗らないなら別に……」
「ううん。別に気乗りしないってことじゃないんだけど、それって、そのぉ……デートってことかなって」
「デデデデデデデデデデデデデデデデデ」
「えっ、ハクシャク大丈夫!? なんか今、バグったよね!?」
「……いや、大丈夫だ。すまない。それで、返事は?」
「えっ、もちろん行く! 行くに決まってるよ! 久しぶりにタピれるのテンアゲ~♡ もう一生飲めないかと思ってた」
「……喜んでもらえたようで何よりだ。それでは、馬車の準備をさせてくる。ここで待っていてくれ」
胸の鼓動がバクバクいうのをなんとかなだめつつ、ディルは努めて冷静さを保ちながら書斎を出て、小さくガッツポーズをした。ディルにとって人生初の「女の子にデートに誘う」というミッションは成功したのだ。