ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
「うーん、なんかねえ、あたしってこういう恰好でしょ? 一緒にいると恥ずかしいからって、エリック王子はどこかに連れて行ったりとかしてくれなかったんだよね。ギャルdis激しめでメンブレだったんだけど、あれってよくよく考えたら、あたし以外に好きな人がいたからだったんだなあって、あとで気づいてぇ」
「……待て。殿下に想い人がいただと。それはどういうことだ?」
「えっ、ハクシャク知らないの? エリック王子にはアレキセーヌちゃんっていう好きピがいて、その子と結婚したいからあたしの婚約を破棄してほしかったらしくてさぁ。ある日急に言われたから、ビックリぽんだったわ~」
「なっ」
思わぬ一言に、ディルは絶句した。どうせ第一王子と聖女エミの婚約破棄の一件は馬鹿らしい理由だろうと高を括っていたものの、まさかここまで馬鹿げた理由だったとは。
ディルは腹の底から湧き上がるような怒りを抑えつつ、エミの手を取った。
「もう少し、詳しく話してくれないか」
「はにゃ? そんな面白い話じゃないよぉ」
「私は面白さを求めてはいない」
「じゃあ良いけど、ホントに面白くないからね?」
ディルに促され、エミは少し戸惑った表情で、ぽつりぽつりと過去のことを話し始めた。
「……待て。殿下に想い人がいただと。それはどういうことだ?」
「えっ、ハクシャク知らないの? エリック王子にはアレキセーヌちゃんっていう好きピがいて、その子と結婚したいからあたしの婚約を破棄してほしかったらしくてさぁ。ある日急に言われたから、ビックリぽんだったわ~」
「なっ」
思わぬ一言に、ディルは絶句した。どうせ第一王子と聖女エミの婚約破棄の一件は馬鹿らしい理由だろうと高を括っていたものの、まさかここまで馬鹿げた理由だったとは。
ディルは腹の底から湧き上がるような怒りを抑えつつ、エミの手を取った。
「もう少し、詳しく話してくれないか」
「はにゃ? そんな面白い話じゃないよぉ」
「私は面白さを求めてはいない」
「じゃあ良いけど、ホントに面白くないからね?」
ディルに促され、エミは少し戸惑った表情で、ぽつりぽつりと過去のことを話し始めた。