ギャルは聖女で世界を救う! ―王子に婚約破棄されたけど、天才伯爵に溺愛されて幸せなのでおけまるです!―
 先に席についていた聖女サクラの婚約者であるロイが、気づかわしげに二人を見つめる。

「二人とも、だいぶ疲労困憊のようだけど、大丈夫? 教育係に言って、すこしカリキュラムを減らしてもらおうか?」
「大丈夫だよ。一人だったら耐えられなかったけれど、エミたそも一緒だし」

 サクラは疲れた顔をしながら、それでも朗らかに笑う。ロイはサクラの微笑みを前に少しだけ目元を赤らめると、「それなら良かった」と嬉しそうに頷く。
 傍らで二人のやりとりを見ていたエミが、頬杖をついてニヤニヤしながら二人をからかった。

「なぁ~んかロイっぺとサクぴって、最近良い感じだよねぇ~」
「もう、エミたそ! 私はエミたそ一筋で、ロイとはそういうのじゃないから! あと、頬杖ついてるよ! いかなる時も頬杖禁止ってさっき教育係のマリアさんに言われたばっかりでしょ」
「あっ、ヤベ! 忘れてた! ホントこういうの向いてないわ~。サクぴはちゃんとできてるから偉いよお♡ ところで、あたしの彼ピはどこなんだろ?」
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