成長した年下王子は逃げたい年上妻を陥落させる
「さあ、仕事の時間よ。まずエントランスに行ってセバスチャンとお話を――、」
――刹那、慌ただしい足音とともに、急に扉が開いた。
ノックもせずにレディの部屋の扉を開ける不届き者の登場に、サーシャの顔がサッと険しくなる。
「誰ですか! この部屋はコルネリア様のお部屋ですよ!? それなのに、ノックもせずに部屋に入ってくるなんて、なんて不作法な、きゃあっ!」
入ってきた人物の顔を見て、サーシャは黄色い悲鳴をあげた。
それもそのはず、コルネリアの部屋に入ってきたのは、背の高い美丈夫だった。
髪の色はプラチナブロンドで、幾らか厳しすぎる鋭い輪郭に、近づきがたいほどに整った顔立ち。
なにより目を惹くのは、冷たい星を宿したようなアイスブルーの瞳。その瞳は誇り高く、そして懐かしい――……
「コルネリア!」
「ええっ、り、リシャール!?」
驚きのあまり、コルネリアの声がひっくり返る。
そこにいたのは、すっかり成長した18歳のリシャールだった。今や背はコルネリアの身長より頭一つ分以上大きくなり、線の細かった身体も厚みを増し、歴とした男らしい体つきだ。
――刹那、慌ただしい足音とともに、急に扉が開いた。
ノックもせずにレディの部屋の扉を開ける不届き者の登場に、サーシャの顔がサッと険しくなる。
「誰ですか! この部屋はコルネリア様のお部屋ですよ!? それなのに、ノックもせずに部屋に入ってくるなんて、なんて不作法な、きゃあっ!」
入ってきた人物の顔を見て、サーシャは黄色い悲鳴をあげた。
それもそのはず、コルネリアの部屋に入ってきたのは、背の高い美丈夫だった。
髪の色はプラチナブロンドで、幾らか厳しすぎる鋭い輪郭に、近づきがたいほどに整った顔立ち。
なにより目を惹くのは、冷たい星を宿したようなアイスブルーの瞳。その瞳は誇り高く、そして懐かしい――……
「コルネリア!」
「ええっ、り、リシャール!?」
驚きのあまり、コルネリアの声がひっくり返る。
そこにいたのは、すっかり成長した18歳のリシャールだった。今や背はコルネリアの身長より頭一つ分以上大きくなり、線の細かった身体も厚みを増し、歴とした男らしい体つきだ。