成長した年下王子は逃げたい年上妻を陥落させる
「で、ですが、わたくしは仮初の妻で――……」
リシャールはコルネリアの言葉を遮るように唇を重ねてくる。
柔らかな唇が、コルネリアの唇の輪郭を確かめるように何度も重なる。時には優しく、時には食むように。
コルネリアの柔らかな唇が、リシャールの執拗な接吻によって、鮮やかに色づいていく。
頭の奥が痺れるようなキスに一瞬身を委ねそうになったものの、ハッとしたコルネリアは首を振ってリシャールの薄い唇から逃げる。
「リシャール様、どうか馬鹿な真似はおよしください。もし子を望んでいらっしゃるのであれば、エツスタンのご令嬢を紹介しますから……。みんな、こんな年増のわたくしと比べ物にならないほど美しく、聡明な子たちです」
コルネリアは息も絶え絶えに訴えた。現に、彼女はリシャールの結婚相手として何人かの令嬢たちに目星はつけている。
しかし、コルネリアの切実な提案に、リシャールの纏う空気がさらに冷ややかさを増す。
「信じられない。俺と離縁して、他の女をあてがおうとしていたんですか……? 俺はずっと、貴女しか見てないのに!」
「待ってください! なぜリシャール様が離縁の話をご存じなのですか?」
コルネリアは驚いた。リシャールには、もちろん離縁の話はしていないはずだ。
リシャールはコルネリアの言葉を遮るように唇を重ねてくる。
柔らかな唇が、コルネリアの唇の輪郭を確かめるように何度も重なる。時には優しく、時には食むように。
コルネリアの柔らかな唇が、リシャールの執拗な接吻によって、鮮やかに色づいていく。
頭の奥が痺れるようなキスに一瞬身を委ねそうになったものの、ハッとしたコルネリアは首を振ってリシャールの薄い唇から逃げる。
「リシャール様、どうか馬鹿な真似はおよしください。もし子を望んでいらっしゃるのであれば、エツスタンのご令嬢を紹介しますから……。みんな、こんな年増のわたくしと比べ物にならないほど美しく、聡明な子たちです」
コルネリアは息も絶え絶えに訴えた。現に、彼女はリシャールの結婚相手として何人かの令嬢たちに目星はつけている。
しかし、コルネリアの切実な提案に、リシャールの纏う空気がさらに冷ややかさを増す。
「信じられない。俺と離縁して、他の女をあてがおうとしていたんですか……? 俺はずっと、貴女しか見てないのに!」
「待ってください! なぜリシャール様が離縁の話をご存じなのですか?」
コルネリアは驚いた。リシャールには、もちろん離縁の話はしていないはずだ。