四月のきみが笑うから。
*
「先輩、来るかな」
ベンチに座って、電車を待つ。
クレープを食べてから少し街を散策したため、いつもの電車よりも二本遅い。
だから、もしかすると先輩に会えるかもしれない。そう思ったのだ。
(会えると、いいな)
わがままを言ってはいけないとは思いつつ、やはり寂しいものは寂しい。
会いたいし、話したい。
この気持ちはずっと変わらない。
駅で待っていることは、先輩には伝えていない。どうせならサプライズで、びっくりさせたかった。
黙って線路を見つめたまま、ぼんやりと過去を偲ぶ。
わたしたちの出逢いは、この駅だ。
あの日、あの時、ここにわたしがいなかったら。先輩がここにきてくれなかったら。
わたしが自殺しようという気になっていなかったなら。先輩が助けてくれなかったら。
わたしたちは一生他人のまま、終わっていたのかもしれない。
どれが欠けてもだめだった。
どれかひとつだけでもエピソードが足りなかったら、今の形にはなっていない。
『瑠胡ちゃんとアイツが出逢ったのは、ちゃんと意味がある。偶然かもしれないけど、紛れもなく必然なんだ。アイツを救えるのは瑠胡ちゃんだけ。アイツの未来を託せるのは君だけなんだ』
ふと、珀都くんの言葉が蘇ってくる。
偶然が積み重なったら、それはきっと必然だった。
そんな勝手な解釈をしてしまいたくなる。
「先輩、来るかな」
ベンチに座って、電車を待つ。
クレープを食べてから少し街を散策したため、いつもの電車よりも二本遅い。
だから、もしかすると先輩に会えるかもしれない。そう思ったのだ。
(会えると、いいな)
わがままを言ってはいけないとは思いつつ、やはり寂しいものは寂しい。
会いたいし、話したい。
この気持ちはずっと変わらない。
駅で待っていることは、先輩には伝えていない。どうせならサプライズで、びっくりさせたかった。
黙って線路を見つめたまま、ぼんやりと過去を偲ぶ。
わたしたちの出逢いは、この駅だ。
あの日、あの時、ここにわたしがいなかったら。先輩がここにきてくれなかったら。
わたしが自殺しようという気になっていなかったなら。先輩が助けてくれなかったら。
わたしたちは一生他人のまま、終わっていたのかもしれない。
どれが欠けてもだめだった。
どれかひとつだけでもエピソードが足りなかったら、今の形にはなっていない。
『瑠胡ちゃんとアイツが出逢ったのは、ちゃんと意味がある。偶然かもしれないけど、紛れもなく必然なんだ。アイツを救えるのは瑠胡ちゃんだけ。アイツの未来を託せるのは君だけなんだ』
ふと、珀都くんの言葉が蘇ってくる。
偶然が積み重なったら、それはきっと必然だった。
そんな勝手な解釈をしてしまいたくなる。