四月のきみが笑うから。
「いや、あの……っ」
「じゃあそういうことだから。ばいばい、木月さん」
線を引かれた。
もう入ってくるなと、お前の居場所はここではないと、そう言われたような気がした。
満足そうな笑みを浮かべた緋夏は、そのまま身を翻して教室を出ていく。
取り巻きもそれに続いて、ニヤニヤと気持ちの悪い笑みを浮かべながら出ていった。
ちらちらと周囲からの視線を感じる。
かわいそー。だっさ。まじウケる。
憐れみの目、笑いの対象を蔑む視線、滑稽な存在を嘲笑う声。
そんなもので教室中が溢れていた。
今さら捨てられてしまっては、これからの学校生活においてぼっち不可避だ。
グループが確立してしまったこの時期に見放されるなんて、わたしはどうしてこんなに要領が悪いのだろう。惨めでしかない。