四月のきみが笑うから。
「なつかしい……」
キイ、キイと、ブランコを漕ぐたび音が鳴り、それが面白くて毎日のようにここで遊んでいた。
ゆっくりと歩み寄って、ブランコに座る。
音が鳴るのを期待して少し揺らしてみたけれど、何の音もしなかった。
ああ、と小さく落胆する。
わたしが知らない間に、このブランコは新しいものに替えられてしまったのだ。
(そんなの、当たり前だよね)
いつまでも過去にこだわっていたところで、時間は止まらず進んでいく。
過去に戻りたいと願っている瞬間ですら、わたしたちは前へと進んでいるのだ。
スマホを取り出して、メッセージアプリを開く。そこにピン留めされているのは、中学時代の親友だった。
【彩歌】
何があっても彼女だけはわたしの味方だと何の根拠もなしに信じられるほど、絶対的な親友だった。
クラスも、部活もずっと一緒。
学校生活をともにする時間が増え、自然と休みの日も一緒にいるようになった。
どうしても予定が合わない日は電話、それも無理ならメール。