四月のきみが笑うから。
また以前と同じ公園で時間を潰し、空が暗を混ぜた青色になったころ、家に戻る。
自室に入ろうとしたところでわたしに気づいたお母さんが、抑揚のない声でぼそりと告げた。
「とりあえず、週三回に戻しておいたから。また気が向いたら、声かけて」
「……うん」
わかってもらえた、というよりは、どこか諦めたような口調だった。
ピンと張っていた期待という名の糸が切れ、わたしと両親を繋いでいたものは、これでなにひとつなくなってしまった。
(だけど……後悔は、してない)
だってこれ以上自分を追い込んだら、もうわたしは確実にダメになっていた。
『頑張るのをやめるんじゃなくて、頑張りすぎるのをやめるだけ。頑張りすぎて自分をぶっ壊してたら元も子もないだろ』
先輩の言葉が、今のわたしを救ってくれた。
未来のわたしを生かしてくれた。
先輩の存在が、またわたしを助けてくれた。
明日こそは、会えるんじゃないか。
なぜだか分からないけれど、そんな幸せな予感がしていた。