ドバイから出られない!
「もう大丈夫かな……」
地面から吹き上がってくる熱風を感じながら、私、樋口美砂(ひぐちみさ)は自身の顔を隠すために掛けていたサングラスを外す。太陽が日本のものよりギラギラと輝いて見えた。
私は今、砂漠に囲まれたドバイにいる。ここに来たのは決してバカンスではない。私は日本にはいられない事情があったから。
飛行機に乗るために電源を切ったスマホを鞄の中から取り出し、電源をつける。そして日本のネットニュースを検索すれば、注目を集めているトップニュースがすぐに出てきた。
『集団詐欺グループ、推定百億近くの被害か!?』
その記事を見て私はニヤリと笑う。そしてスマホをまた鞄の中に入れると、女の一人旅にしては大きめのキャリーケースを引いて歩き出す。行く宛などない。でも、行かなくちゃいけないから。
私は日本では犯罪者だ。大規模な詐欺グループの幹部としてたくさんの人を騙し、他人の金を奪ってきた。これまで何度人を騙したのか、わからない。
地面から吹き上がってくる熱風を感じながら、私、樋口美砂(ひぐちみさ)は自身の顔を隠すために掛けていたサングラスを外す。太陽が日本のものよりギラギラと輝いて見えた。
私は今、砂漠に囲まれたドバイにいる。ここに来たのは決してバカンスではない。私は日本にはいられない事情があったから。
飛行機に乗るために電源を切ったスマホを鞄の中から取り出し、電源をつける。そして日本のネットニュースを検索すれば、注目を集めているトップニュースがすぐに出てきた。
『集団詐欺グループ、推定百億近くの被害か!?』
その記事を見て私はニヤリと笑う。そしてスマホをまた鞄の中に入れると、女の一人旅にしては大きめのキャリーケースを引いて歩き出す。行く宛などない。でも、行かなくちゃいけないから。
私は日本では犯罪者だ。大規模な詐欺グループの幹部としてたくさんの人を騙し、他人の金を奪ってきた。これまで何度人を騙したのか、わからない。
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