腹黒王子の甘い寵愛。
私の推しは、とある猫ちゃんだ。

それも、めちゃくちゃ身近な。

正直結婚したい子といえばその子かもしれないな。

考えるだけで微笑ましくて、ついふふふと笑ってしまった。


「……今、推しのこと考えたよね?」

「えっ?よくわかったね」

「許せない……ねぇ、瑠奈は僕を推してよ」


手首を掴まれて、顔が近づく中そんなことを言われてしまって、どうしたらいいのかわからなくて混乱してしまう。


「え、えっと……」

「僕より、その男の方がいいの?」

「その男って言うか……」


オス、なんだけど……。


困っているとナイスタイミングでパフェが届く。


「わ、わぁ美味しそう!食べていい?」

「うん、いいよ」

「朔くんは食べないの?」

「瑠奈が残したら食べるから」

「えええっ、そんなの申し訳ないよ、一緒に食べよう?」


スプーンを持って朔くんに差し出す。

少し躊躇いながらもそのスプーンを受け取った朔くんは、


「じゃあお言葉に甘えて」


と言ってパフェを少しだけスプーンで掬って口へと運んだ。


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