腹黒王子の甘い寵愛。
すると桐谷くんが照れくさそうに私の方を向いて、口を開く。


「あ、あのさ……瑠奈」

「ん?」


首を傾げるとさらにまた顔を赤くさせる。


「俺と仲良くして欲しい。友達からでいいから」

「う、うん。最初は怖かったけど、悪い人じゃなさそうだし……友達でよければぜひ」

「!ああ」


パァァと表情を明るくさせた姿がなんだか幼くて微笑みを溢してしまった。


「じゃあ私そろそろ行くね。お腹空いちゃったんだ」

「それなら俺が何か作ろうか?」

「えっ?料理できるの?」

「これでも大家族の兄貴なんでな」

「へぇ〜!じゃあ食べたいかも!」

「わかった」


フッと嬉しそうに微笑まれる。

またまたこの人のギャップを見つけてしまった。


「でも男子寮の中に入っちゃだめだよね」

「別になんもしねぇよ」

「そ、そんなことわかってるよ!でもルールだもん」

「じゃあ、弁当にして作ってきてやるから待ってろ」

「わかった!」
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