腹黒王子の甘い寵愛。
びっくりしながらも廊下の方へと向かっていく。

同じ寮の友達、美波ちゃんと萌ちゃんに驚かれながらも、私は急いだ。


「早かったな」

「あ、東峰くん……どうしたの?」


周りがざわめき始める。


きっと、私みたいなモブが東峰くんに近づいてるからみんな不審に思ってるんだ……!!

そう考えて内心ヒヤヒヤしまくりながらいると、東峰くんが照れ臭そうに口を開いた。


「そ、その……あれだ、あれ」

「えっ?あれ?」


あれってなんだろう……?


「周りに聞かれたら恥ずいんだ、ちょっと来てくれ」

「へっ……!?」


まさかの東峰くんから私の手首をギュッと握って、早歩きしだしたのだ。


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