腹黒王子の甘い寵愛。
「ちょ、ちょっと！！私の相手は？」

「ごめん、もう花蓮は飽きた」

「はぁぁっ！？何それ！」


プイッとそっぽ向いた花蓮ちゃんはどこかへと行ってしまった。


「ねぇ、キミ僕のものになる気ない？」

「だ、だからそんなのないですって……！！」


もう、猫ちゃんたちに会いにきただけなのに最悪……！！

はぁと下を向きながら大きなため息を溢す。

顔を上げれば、とても不機嫌な朔くんの顔が見えた。


「人の女にまで手ー出すようになったのかよクソ」

「さくちゃひどーい。助けて可愛い子〜」


私とぱっちり視線があって、にっこりと微笑む綾野さん。

どうしてそんなに私のことをからかいたがるんだろう……？


困っていると朔くんが私の顔を伺うように口を開く。


「瑠奈、さっきはごめんね……嫉妬しちゃったんだ、ほら、瑠奈のことが好きでたまらないから」

「っ……！！」


あざとい顔をしながらゆっくりと近寄ってくる朔くんに後退りする。


だけど逃がさないと言わんばかりに手首を掴まれて、反対の手で頬を撫でられてしまったた。


「コイツと会うためじゃなくて瑠奈と仲直りするために来たんだ。探したよ、だめじゃないか1人で出歩いたら。危ないよ」

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