腹黒王子の甘い寵愛。
恐る恐る朔くんの方を再び見ると、にっこりと、これ以上ないぐらいに闇を放ちながら微笑んでいた。
「……瑠奈ぁ?どうしたの?」
「え、えっと……さ、朔くんと喧嘩してたから……桐谷くんに愚痴聞いてもらって……」
「愚痴?僕のこと……他のヤツに話すぐらい好きなんだ。嬉しい」
「へっ?」
思ってた反応と違くて、びっくりも安心したのも束の間。
「で……なんでくん呼びなわけ?」
「な、なんでって……友達、だし……」
「……俺以外に男作ったの?」
「えっ?」
「瑠奈は純粋で可愛いんだから、大人しく僕の言うこと聞いてないとすぐ喰われちゃうよ」
髪の毛をいじられながら、そう言われてしまう。
だから、付き合ってないのに……!!
「その、瑠奈の推しだってそうだ」
「わ!私の推しはただの愛猫!」
「……え?」
ポカンとする。朔くんってこんなに表情豊かだったんだ、なんて。