腹黒王子の甘い寵愛。
慌てて視線を移すとそこには桐谷さんがいた。

口をポカンと開けた状態で。

可愛らしい袋の何かが、地面に落ちてしまっていた。


「っ……!!」


私は驚くことしかできない。


み、見られた……私、朔くんと付き合ってもないのに……!!

色々な意味でヒヤヒヤし出して、悪寒がする。


「お、おい……瑠奈……?」

「こ、これは……」

「ふっ、あはははっ」


朔くんが狂気的に笑う。


ど、どうしちゃったの……?


「見てただろ?瑠奈は俺のものだ。もう近づくのはやめていただきたい」

「っ……!黙れ!!」


桐谷くんの表情がどんどん曇っていく。

私はどうしていいのかわからなくて、ただ立ち止まることしかできなかった。


< 118 / 142 >

この作品をシェア

pagetop