腹黒王子の甘い寵愛。
朔くんがとても嬉しそうに目を見開く。


その瞬間、私を抱きしめる力がさらに増した。


「ふふっ、今日は記念日だ……ちゃんと、毎月ごとに祝おうね」

「あ、あはは……」


流石にそれは大袈裟じゃない?なんて思いながらも、私も幸せに浸る。



しばらくして、ようやく朔くんに離してもらうことが叶った頃だ。


先ほど切られてしまった電話を、折り返していた。


電話が繋がると、続きを話す。

その中で言われてしまったことなのだけれど……。


『瑠奈の彼氏の愛してるは、そう簡単なものじゃない』


その言葉が、やけに引っかかっていた。


愛してるは、簡単じゃない?そんなの、普通だと思ったけれど……確かに、朔くんの様子を見ていると……少し変だと思うところもなくはなかった。


「るーなっ」

「さ、朔くん!」


電話が終わるとすぐに朔くんが駆け寄ってきて、後ろから私のお腹に手を回して首筋に顔を埋める。
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