腹黒王子の甘い寵愛。
ちょっとのびのびしてもいいよね。

窮屈なリボンを緩めて、シャツのボタンを上から3つぐらい開ける。


スカートもできる限り緩めて、少しお団子にしている髪も解いた。


毎朝毎朝、巻いてくるくるにしているけれど……朔くんは、ストレートとくるくるどっちが好きなのかなぁ。


そんなことを考えながらうとうとしていると、ガチャッと言う音と共に玄関が開いた。


朔くんだ!と思って、わくわくしながら立ち上がる。


と……。


バサッという音。


「……ん?あ、れ……」

「るるる、瑠奈っ……!?」



私、朔くんにパンツを晒してしまった……。



しかもいつも使ってる白とかピンクのパンツがなくて、よりによってワインレッド色のを見せてしまったのだ……。


固まって動くことすらできない私に対して、朔くんはそっと近づいてスカートを持ち上げてくれた。


「る、瑠奈……?大丈夫?」

「う、ううう……消えちゃいたい……」

「そんなこと言わないで。僕にとってはとびっきりのご褒美だったよ」


キラキラ王子様スマイルを浮かべながらそんなことを言ってくる。

よくわからないけれど……不快にはなってないみたいだよね?なら、いいのかな……?


「それに彼氏彼女ならいずれは見せるものだから平気」

「そ、そっか、そうだよね。ならいいや」

「うん、でも俺以外の前でそんなこと絶対にしちゃダメだからね?」

「わかってる、絶対にしないよ!」

「それならよし」


ぽんぽんと優しく頭を撫でられる。


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