腹黒王子の甘い寵愛。

「わざわざこんなところまで連れてきてしまってすまなかった。送る」

「だ、大丈夫だよ……！1人で帰れる！」

「友達、だろ？まだ一緒にいたい」

「っ……！！」


きゅんっと胸が高鳴ってしまった気がした。

これはただの友人なのに、そんなあざとい顔で東峰くんが言うからだ。

さっき、勘違いされる、だなんてよくわからないことを私に言っていたけれど……きっとされちゃうのは東峰くんの方だ。


「わ、わかったよ、ありがとう……」

「ああ、気にしなくていい。行こう」

「うん」


こんなこと、私以外の女の子たちにしたら１発でモテるだろうに……。

無理矢理そんなことしろだなんて言わないけど、スマートに教室まで送ってくれたり、ギャップがあるところとか……この人はとても素敵で、きっととてつもなく優しい人。