腹黒王子の甘い寵愛。

「ん、ありがとう」

「う、ううん。」

「髪、失礼するね」

「えっ？」


今度は手で髪の毛を解かされる。


「ご、ごめんね、ありがとう」

「ううん、こうしたの僕だから」

「あ、あはは……」


優しく髪をいじられながら、しばらく時間が経つ。

そういえば、今日は猫ちゃんたちいなかったなぁ。

もう帰っちゃったのかもしれない。


「そういえば女子寮、改装するんだって？」

「そうみたいなの。後輩ちゃんたちの部屋に移動するっぽいんだけど、結構な子に誘ってもらってて、どこに行こうか迷い中」


さっきスマホを確認したら、メールがたくさん届いていた。

後輩ちゃんたちからで、みんな優しく受け入れてくれるようでとても嬉しかったのをよく覚えている。