腹黒王子の甘い寵愛。
「確かに、会長と瑠奈が出会ってからやけに不良たちが減ったと思った!」

「も、萌ちゃんまで……もう、ちがうよ、きっと何かのまちがい———」


そう、言おうとした瞬間だった。

ガチャンと屋上の扉が開いて——



「る、瑠奈?」

「あ、朝の……!!」


桐谷さん、が……屋上に入ってきた。

それも、すごい勢いで近づいてくるものだから咄嗟に2人が私を隠してくれた。


「なぁ、朝は悪かった。」


そう声が聞こえてくる。

すると2人が再び私の隣の席に戻って、ジーッと警戒を始めた。


「わ、私こそすみませんでした……」

「いや。いいんだ。それより瑠奈」

「は、はい」


やっぱり名前呼びされるの、変な感じだ……初対面の時からだし。


「俺と付き合ってくれ」

「……はぇっ……?」

「あんな会長とは別れろ」

「い、いやいや!そもそも付き合ってませんし!」

「は……?あの距離で、会長にあんな顔させといてか?」

「あ、あんな顔……?」


よくわからない。とにかく助けが欲しくて、横をキョロキョロと見るも2人は関わりたくないと言わんばかりにそっぽを向いていた。


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