腹黒王子の甘い寵愛。
「それで、両親同士がすげー仲良かったらしくて……その、桜井の家も悪いところじゃないからって理由で、婚約することに……なった」

「は、は……?マジで言ってんのかお前。俺が瑠奈のこと好きなの、知ってんだろ?」

「それは知ってる。だけどもう決まったことなんだ」

「っ……」



正直婚約を覆すなんてことはどうとでもできる。

ただ、少々時間がかかるんだ。


その間に、瑠奈と結都の距離が近づいたら……?


考えるだけで、ゾッとした。


嫌だ……そんなの、絶対に嫌だ!!


「……」


気まずい空気が流れる。


「瑠奈は……僕が、婚約者にするために今頑張ってるんだ。頼む、お前から断ってくれ」

「そうしたいのは俺だって同じだ。だけど……」

「だけど?どうして断れないんだよ」


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