腹黒王子の甘い寵愛。
もっと……瑠奈と、近づきたい。


「瑠奈……瑠奈、瑠奈……!」


息が荒くなる。

そうだ……アイツのものになってしまうぐらいなら、その前にこの手で——




数時間後。


「バイバイ〜」


廊下から、瑠奈のクラスの教室をジーッと見つめていた。


「わっ……!?さ、朔くん?」

「瑠奈。迎えに来たよ」

「あ、ありがとう……!」


教室から出てきた瑠奈を捕まえて、そのまま一緒に寮まで歩いて行く。


「……ねぇ、瑠奈」

「ん?」

「婚約者がいるの、知ってる……?」

「……え?こ、婚約者!?いたの!?」


僕の方を見てびっくりする瑠奈。


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