新月に薔薇は枯れる(The rose dies at the new moon)ー柊くんはヴァンパイア
「少しくらい手を抜いてもと思えるくらいに……自分よりも出来る奴を煙たいと思うヒネクレ者もいる」
一生懸命やっているのに、どうして小言を言われたり無視されたりするのか、いつも理解できなかった。
「出来ない奴は原因が自分にあると解っているから反撃できないけれど、椿は違うだろ。理不尽だと思っていることを我慢しなくていい。3年だろうが、間違っていることはキッパリ言えばいい」
穏やかだけど凛とした声が胸を熱くする。
こみ上げてくる思いで、体中が火照っていくのがわかった。
「椿、辛い気持ちを溜めこむな。泣きたくなる前に全部吐き出せ。いつでも聞いてやる」
目頭が熱くなった。
柊くんはわたしの顔を覗きこみ、そっとわたしの頬に手を触れた。
零れ出した涙を冷たい指が優しく拭う。
「涙が止まるまで、一緒にいてやる」
柊くんはわたしの耳元で囁いた。
一生懸命やっているのに、どうして小言を言われたり無視されたりするのか、いつも理解できなかった。
「出来ない奴は原因が自分にあると解っているから反撃できないけれど、椿は違うだろ。理不尽だと思っていることを我慢しなくていい。3年だろうが、間違っていることはキッパリ言えばいい」
穏やかだけど凛とした声が胸を熱くする。
こみ上げてくる思いで、体中が火照っていくのがわかった。
「椿、辛い気持ちを溜めこむな。泣きたくなる前に全部吐き出せ。いつでも聞いてやる」
目頭が熱くなった。
柊くんはわたしの顔を覗きこみ、そっとわたしの頬に手を触れた。
零れ出した涙を冷たい指が優しく拭う。
「涙が止まるまで、一緒にいてやる」
柊くんはわたしの耳元で囁いた。