新月に薔薇は枯れる(The rose dies at the new moon)ー柊くんはヴァンパイア
8 岩館side 月明かりの下
「紫陽花はどうなったんだ?」
「萎れていた」
「知っていたよな。熱湯をかけたらどうなるか。知っていて、椿に」
副会長と会計、椿を帰した後。
俺は霞月を問いつめた。
「結果を知っているのに、やる必要があったか?」
「椿が見てみたいようだったから」
霞月は俺の顔を見ずに答えた。
それがしゃくに障った。
「ガンちゃんが苛ついているのは、紫陽花のこと?」
「はあ?」
質問の意味が解らない。
「俺が椿と実験したこと?」
「何を言って……」
霞月の薄茶色の瞳が俺を見据えていた。
「気づいていないとでも?」
「何が言いたいんだ!?」
霞月の真っ直ぐな目が突き刺さるようで、恐かった。
「椿のこと、ただの書記か? ただの後輩か?」
ハッとした。
霞月は気づいている。
俺が椿に対し、そうではないことを。
「いつから気づいていた?」
隠せないと思い、観念した。
「萎れていた」
「知っていたよな。熱湯をかけたらどうなるか。知っていて、椿に」
副会長と会計、椿を帰した後。
俺は霞月を問いつめた。
「結果を知っているのに、やる必要があったか?」
「椿が見てみたいようだったから」
霞月は俺の顔を見ずに答えた。
それがしゃくに障った。
「ガンちゃんが苛ついているのは、紫陽花のこと?」
「はあ?」
質問の意味が解らない。
「俺が椿と実験したこと?」
「何を言って……」
霞月の薄茶色の瞳が俺を見据えていた。
「気づいていないとでも?」
「何が言いたいんだ!?」
霞月の真っ直ぐな目が突き刺さるようで、恐かった。
「椿のこと、ただの書記か? ただの後輩か?」
ハッとした。
霞月は気づいている。
俺が椿に対し、そうではないことを。
「いつから気づいていた?」
隠せないと思い、観念した。