新月に薔薇は枯れる(The rose dies at the new moon)ー柊くんはヴァンパイア
「ケーキセット2つ苺ケーキと紅茶、それと紅茶ケーキと……椿はコーヒーか?」

「はい」

効率的な注文の仕方だなと思った。

柊くんは紅茶だけ、わたしがケーキ2つとコーヒー、なのに柊くんは店員から注文の助言もなしにケーキセットを2つ注文した。

「どうかした?」

「あの、明日は温室に入るんですよね。わたしより生徒会長が中に入ったほうが」

明日の段取りを聞いた時、気になっていたことを訊ねた。

「椿に頼みたいことがある」

柊くんはわたしに調べてほしいことを順番に伝えた。

「そして、これは1番大切。椿が副会長を誘導すること」

「えっ!?  そんな……」

「順番通りに調べれば大丈夫だから、な!」

わたしの顔を見て優しく微笑んだ。

「コーヒー、冷めないうちに」

「あの、ケーキ半分ずつ食べませんか? その……迷惑でなければ」

「OK。迷惑のはずがない」
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