冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。
突然、
飛鳥馬様の大きな手が、わたしの腰に添えられた。
「……っ、ぁ」
突然のことに驚きの声が漏れる。
異性の手が自分の腰に触れたことなんて今まで1度もなかったせいで、大げさにビクッと震えてしまう。
さっきまで心配そうな色をしていたその瞳は、今は挑発的にわたしを見下ろしている。
「ねぇあやちゃん。熱がないなら、おれのこといっぱい楽しませてくれるよね」
漆黒の瞳が、夜闇の中妖しげに光る。
満足気に綺麗な弧を描いた形の良すぎる唇。
それは赤色にほんのりと色付いていて、逆に女の人に襲われてしまいそうなほどの艶やかな色気を醸し出していた。
「飛鳥馬様を、たのしませる……?」
「うん、そう。あやちゃんが、おれをたくさん満足させてよ」
「……っ、どうやっ、て?」
「んー、そうだね。こうやって」