冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。
その絵柄は何とも気品に溢れていて、霜蘭花という名の暴走族の知性さと何にも屈しない強固たる強さを表しているようだった。
皇神居の周りを厳重に警備する門兵たちの姿が目に映る。
彼らは自分たちの主が帰ってきたことに、目を輝かせて喜んでいるように見えた。
わたしたちの前に立ちはだかる立派に門が、内開きに自動で開いていく。
重量が半端ないのか、それともこれほど大きなものを動かすには多大な労力がいるのか、ジリジリと焦らすようにして開いていく門。
飛鳥馬様は少し乱れたわたしの体勢を元に戻すために、腕に力を入れてわたしを軽く宙に浮かせ、体勢を直した。
まだ完全には開ききっていない門へ迷いない足取りで突き進んでいく飛鳥馬様。
門のその先は、立派な石畳の道が永遠と続いていた。
人が3人は通れるんじゃないかぐらいの門の隙間を通り抜ける飛鳥馬様。
その瞬間、感じた重苦しい空気感。
軽んじた行いはここからは一切許されないとでも言うような、言葉では言い表せない重圧。
それはきっと、わたしが考えすぎてしまっているせいなのだろうけど、間違いなく感じたのだ。