冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。
そう思って、スマホを手に取る。
電源をつけると、ラインの通知が凄いことになっていた。
7月3日
【彩夏、もうずっと学校来てないね。何かあった?大丈夫?】
【先生からプリント預かってるんだけど、届けに行こうか?でも彩夏の家知らないんだよなあ。教えてくれる?】
【彩夏〜、寂しいよお。早く学校来てー】
7月5日
【体調は大丈夫?熱があるんだよね】
【もう彩夏が学校に来なくなって何週間も経つよ。さすがに心配】
【先生に訊いてみてもはぐらかされるだけだし……、】
7月7日
【お願い彩夏、既読だけでも付けて】
【返信ちょうだいよぉ〜(泣)】
ちなみに、今日はもう7月の10日だ。
ラインのページを開いてみると、美結ちゃんからの沢山のメッセージを目にして、思わず涙が浮かぶ。
「美結ちゃん……、心配かけてごめん」