冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。
そう言って、ギュッと腰に腕を回され、抱きしめられる。
甘えてくれる麗仁くんが可愛くて、愛おしくて、そのサラサラな黒髪にそっと触れた。
男の子なのに、どうしてこんなに髪が柔らかいんだろう。一生撫でていたいと思うくらい、麗仁くんの髪にはイタみ1つない。
「あやちゃんが毎日おれのために時間とってくれて、すごくうれしい」
そう言ってわたしのお腹に頬を擦り寄せてくる。
麗仁くん、今は本当に幼子みたい……。
大好きなお母さんに甘える子供、みたいな……。
そんなこと、思っても口にはしないけれど。
「麗仁くんのための時間なら、いくらでも取れます」
「へえー、そんな嬉しいこと言ってくれるの。サービス精神旺盛だねえ」
「……っな、べ、別にこれは冗談なんかじゃなくて…っ!」