冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。


『…ん、絶対来てね。おれ、あやちゃんが来るまでずっと待ってるから』



きっと本当なんだろうなって思わせてくる真剣さ。

それと、どこか闇を纏っている感じがしたのは単なるわたしの気のせい?


それとも……



「……え、彩夏?え!!彩夏がいるんだけど!いつ、いつ来たのっ」



美結ちゃんの大きな叫び声で、ようやく我に返ったわたしは目をまん丸くさせる。

や、やっとわたしが本物だって気づいてくれたのかな……?


ふぅ、良かった。

このままずっと美結ちゃんの妄想の中のわたしにされるところだったよ。


「今日の朝からずっといたよ……美結ちゃん、しっかり」

「……え、まじ?」


うんうんと頷く。

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