冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。
まさか、本当にわたしのことを幽霊扱いしていたなんてちょっとショックだったけど、美結ちゃんはずっとわたしを心配してくれていたんだ。
何日も何週間も来ない友達と1度も会えず、安否も分からない日々が続いたとしたら、いざその子が自分の前にいても現実を信じきれないのはなんとなく分かる、気がする。
「美結ちゃん、本当にごめんね……。ろくに連絡も取らずに、1ヶ月間も学校を休んでしまって、心配させて、」
「………っ、う」
「み、美結ちゃん……?どうしたのっ?」
小さな嗚咽を漏らしたかと思えば、次の瞬間美結ちゃんの瞳からだばーっと大量の涙が溢れ出す。
わっ、わっ、美結ちゃんを泣かせちゃった……っ。
どうしよう、どうしたらいい……っ?
「彩夏が無事でほんと良かったなって思ったら急に泣けてきて……っ。彩夏が学校に来ない間事故にあったのかなとか、熱出したのかなとか、そういう心配ばっかしてて……っ、」