冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。


……っ、美結ちゃん。そんなことまで考えて、心配してくれていたんだ。


それに凄く心が温かくなって、わたしは美結ちゃんをギュッと抱きしめた。



「美結ちゃん〜〜、本当にごめんね。わたしがもっと早くに連絡できていれば良かったのに……、」

「違うの、彩夏は悪くなんてないの……っ。私が心配性なだけだから、」



こんな時でも、わたしのせいにはしない彼女の優しさが胸にしみる。

……あぁ、本当に直さなきゃ。


自分のことしか見えなくなるこの性格を直さなくちゃ。

そうじゃないと、こうやってわたしのために傷ついている周囲の人に悲しい思いばかりさせてしまう。



「美結ちゃん、今までごめん。……でも、ありがとうっ」


ちゃんとお礼を伝えよう。

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